作品別レコード短評Index
【PACHELBEL, Johann/パッヘルベル 1635-1706】
カノンとジーグ ニ長調 3つのヴァイオリンと通奏低音のための (1680年頃)

【BEETHOVEN, Ludwig van/ベートーヴェン 1770-1827】
交響曲第7番(1811-12)

【SCHUMANN, Robert/シューマン 1810-1856】
交響曲第4番(1841年作曲、1851年改訂)

【BORODIN, Alexander/ボロディン 1833-1887】
交響曲第2番(1869-1877)
歌劇「イーゴリ公」(1869-未完成)

【MUSSORGSKY,Modest/ムソルグスキー 1839-1881】
交響詩「禿山の一夜」(リムスキー=コルサコフ編曲/1886年)

【DVOŘÁK, Antonín/ドヴォルジャーク 1841-1904】
交響曲第6番(1880年)
交響曲第7番(1884-85年)
交響曲第9番「新世界より」(1893年)

【HOLST, Gustav/ホルスト 1874-1934】
組曲「惑星」(1914-16)

【SIBELIUS, Jean/シベリウス 1865-1957】
フィンランディア(1899-1900)

各種インデックス | 【2020-04-26(Sun) 02:01:20】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
カノンとジーグ ニ長調 (パッヘルベル)
カノンとジーグ ニ長調 3本のヴァイオリンと通奏低音のための

(4)ムジカ・アンティクァ・ケルン(1983, Archiv)


ムジカ・アンティクァ・ケルン(音楽監督:ラインハルト・ゲーベル)
録音:1983年4月、バンベルク、ツェントラルザール
Exective Producer: Dr.Andreas Holschneider
Recording Producer & Balance Engineer: Wolfgang Mitlehner
スタジオ録音
Archiv / Deutsche Grammophon
評価:★★★★☆(4)
オリジナル楽器・オリジナル編成での演奏。ポピュラー名曲としての「パッヘルベルのカノン」を想定して聴くとびっくりする。「癒しの名曲」というイメージからはかけ離れた快速テンポ。むしろこの疾走感を楽しみたい、そんな演奏である。ヴァイオリン3本+チェロ1本+チェンバロ1台、という編成のため、一本一本の楽器の音がよく捉えられている。古楽器らしい清新な響きと自由な歌が素晴らしく、この点もフルオーケストラの演奏とは違うポイント。

聴き比べ | 【2012-05-15(Tue) 08:43:58】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
シベリウス/フィンランディア
フィンランディア
作曲年:1899-1900年

(4)ヒコックス/ロンドン交響楽団(1988, SONY)
(4)ヤンソンス/オスロ・フィル(1990, EMI)


指揮:リチャード・ヒコックス
ロンドン交響楽団
録音:1988年2月、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
Producer: Roy Emerson
スタジオ録音
CBS / SONY
評価:★★★★☆(4)
ロンドン交響楽団のブラス・セクションが持ち前のブリリアントなサウンドを炸裂させている。轟々と鳴り響くパーカッション群やザックリした弦楽器のアンサンブルとあわせて、非常に戦闘的。全体としても早めのテンポで、疾走するアレグロはもとより、中間部のコラールもズイズイ引っ張られて勇ましい歌、といった趣に仕上がっている。この作品の戦争的一面を浮き彫りにしたような演奏である。とても面白い。録音は直接音大きめで、録音年代からすると古臭いが、悪くない。どちらかというと、優秀なアナログ録音に近い。



指揮:マリス・ヤンソンス
オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1990年9月18-22日、オスロ、コンサートハウス
Producer: David R. Murray
Balance Engineer: Mike Clements
スタジオ録音
EMI
評価:★★★★☆(4)
ヤンソンスらしい引き締まった爽やかな演奏。オーケストラをフルに鳴らすが、不思議と重くならず、むしろ颯爽として見通しが良い。テンポは快速で、中間部までとことん爽やかな風が吹き抜ける。それでいて、ラストの立派な盛り上げ方など、さすがヤンソンス。わかりやすい。

聴き比べ | 【2012-05-12(Sat) 00:39:33】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
ベートーヴェン/交響曲第7番
交響曲第7番 イ長調
作曲:1811-12年

(5)コリン・デイヴィス/シュターツカペレ・ドレスデン(1992, PHILIPS)


指揮:サー・コリン・デイヴィス
シュターツカペレ・ドレスデン
録音:1992年9月、ドレスデン、ルカ教会
スタジオ録音
PHILIPS
評価:★★★★★(5)
展開部繰り返しあり。楽譜に忠実な音価と規律のとれた音色の操作からくる明瞭なテクスチュア、明確に律されたリズムによる音楽の推進力が、作品の演奏に強固な骨格を与えている。基礎ががっしりした演奏では、大袈裟に煽ったり、ブラスを爆発させたりする必要はない。そこにちょっとした変化を与えれば、聴き手は敏感にその変化に気がつくものである。かくして、落ち着いた格調高い高揚感、自然な盛り上がり、ふつふつ湧き起ってくるような満足感が得られるのである。また、デイヴィスは楽譜上のあらゆる要素を明晰に、曖昧さなくハッキリと示してくれる。あらゆる部分に意味づけがなされるように。理性的にもオイシイ演奏である。

聴き比べ | 【2012-05-10(Thu) 20:29:47】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
ドヴォルジャーク/交響曲第9番「新世界より」
交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」
作曲:1893年

(4)ケルテス/ヴィーン・フィル(1961, DECCA)
(3)アルベルト/ミュンヘン・フィル(1961, ACCORD)
(5)アンチェル/チェコ・フィル(1961, SUPRAPHON)
(1)ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団(1973, MELODIYA)
(4)テンシュテット/ベルリン・フィル(1984, EMI)
(3)ヤンソンス/オスロ・フィル(1988, EMI)
(4)小澤征爾/ヴィーン・フィル(1991, PHILIPS)
(4)コシュラー/チェコ・ナショナル交響楽団(1994, ビクター)
(2)アシュケナージ/チェコ・フィル(1999, EXTON)
(3)アンゲロフ/スロヴァキア放送交響楽団(2001, OEHMS)


指揮:イシュトヴァン・ケルテス
ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1961年3月22-24日、ヴィーン、ゾフィエンザール
Recording producer: Ray Minshull
Balance engineer: James Brown
スタジオ録音
DECCA
評価:★★★★☆(4)
31歳の若きケルテスのヴィーン・フィル・デビュー録音。緩急自在で、じんわりとした詩情と熱狂を併せ持った強烈な名演奏。デッカ・デビュー盤だけに、指揮者も入念な準備の元で挑んだのではないだろうかと想像される。集中度が高く、計算が垣間見えつつも自然で興の乗った音楽の運びに圧倒される。あるいは、気持ちよく鳴り響くオーケストラ・サウンドも素晴らしい。必ずしも洗練極まる格調高い演奏とは言い難いが、これはこれで魅力がある。第2楽章のコーラングレの寂寥感など、どうだろう。洗練という意味では新しい録音の方がいいし、やや大味なソロは「見事!」となるものではないが、それだけにわかりやすさ、人懐こさがある。このあたりは好みの問題だろう。音質はDECCAらしくイキのいいもの。国内廉価盤が手ごろだが、聴き比べると"DECCA SOUND"のボックスの方が音質的に優位であるように思うので、ボックスがオススメ。


指揮:ルドルフ・アルベルト
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1961年6月23,30日、ミュンヘン
Prise de son: Jean-Paul Legrand
スタジオ録音
Club Français du Disque / ACCORD
評価:★★★☆☆(3)
マイナー・レーベルの地味な録音だが、中身はエキセントリック。かつ他にない魅力に満ち溢れている。まず第一楽章展開部までのテンポ操作が非常に個性的で、度肝を抜かれてしまった。その他、思い切りの良いテンポの転換や楽器バランス、ソロの浮き立たせ方など、他にないセンスが光っている。特に、第1楽章・第4楽章の推進力にあふれた元気の良さが気に入った。オーケストラの力量が追い付いていない部分があることと不自然な録音から今一つオススメしがたいところだが、間違いなく他にない面白さが散りばめられた、楽しい演奏である。


指揮:カレル・アンチェル
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1961年12月6日、プラハ、芸術家の家(ルドルフィヌム)
制作担当: Ladislav Šíp
録音担当:František Burda
スタジオ録音
SUPRAPHON/日本コロムビア
評価:★★★★★(5)
私の中ではこれが理想的演奏。もとよりブラスが厚く喧しくなりがちなスコアだが、この演奏は決してうるさくならない。それでいて音の切れ味、肌合い、歌・・・といった要素はしっかり押さえられているので、しみじみとした味わいと興奮にも事欠かない。テンポの運びなど早めでサッパリしており、大仰なアゴーギクや情熱的な煽りは皆無で、むしろ音色や繊細な表情で語るタイプの演奏である。変にもったいぶったり、気合の入りすぎたところがない、実に端正かつ丁寧な音楽づくりで、「お国もの」的な土俗性よりもむしろスマートで普遍性をもった演奏といえる。この作品のスタンダードな演奏としてもイチオシだ。こういう演奏こそ、聴き手を飽きさせず、長く付き合える名演奏というものだろう。スプラフォン録音だが、ダイナミクスレンジの狭さは仕方ないにしても、音質自体は同時期のデッカ録音にも負けないイキの良さがあって素晴らしい。


指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
モスクワ放送交響楽団
録音:1973年4月22日、モスクワ
スタジオ録音
MELODIYA/VICTOR
評価:★☆☆☆☆(1)
モスクワ臭ぷんぷんのオーケストラ・サウンドが強烈すぎてつい笑ってしまう。カノン砲の炸裂するがごときティンパニ以下、金属的であまりに自由奔放なブラス群と豪快な分厚い弦楽器のアンサンブルと、これほどインパクトのある音色はロシア以外にありえない。オンマイクなソロなんかロシアン・ヴィブラート全開で、西側のソフィスティケートされたアンサンブルとは一味違う、眩惑的なロシアン・オケの世界を楽しませてくれる。一部リズムも音程もなんか怪しいところがあるが、厚塗りのオーケストラサウンドで何もかも誤魔化されているような気分。弦や木管のソロはナカナカに巧いし、音楽の運び自体は至極真っ当なものである気がするが、なんだかそんなことを考えさせてくれる隙のない、濃厚なロシアン・ワールドに飲み込まれてしまった。後年の文化省交響楽団ならもうちょっとナントカなった気が・・・。音質はソヴィエト・クオリティで、風呂場みたいな残響と変なソロのピックアップ、音割れとまあひどいものだが、まあ、モノラル録音よりはいくらかマシな、最低限のステレオ録音ではある。マニア向け。なぜかトランペットが初めから最後までフルスロットルなので、この作品をトランペット協奏曲として聴くなら良いかもね。


指揮:クラウス・テンシュテット
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1984年3月14-15日、ベルリン、フィルハーモニー
Producer: John Fraser
Balance engineer: Michael Sheady
スタジオ録音
EMI
評価:★★★★☆(4)
各音をしっかり伸ばし、重厚なテクスチュアを浮き彫りにしつつ、ベルリン・フィルをフルに鳴らした堂々たる演奏。荒削りなまでの勢いの良さ、力強さが魅力的だ。


指揮:マリス・ヤンソンス
オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1988年、オスロ、コンサートハウス
Producer: John Fraser
スタジオ録音
EMI
評価:★★★☆☆(3)
オーケストラが爽やかに、伸びやかに鳴りきる。ドヴォルジャーク的な土俗性は薄く、むしろ見通しの良さ、スッキリとした流れの良さがある。旋律はよく歌うのだが、不思議ともたれず土臭くないのだ。以前に聴いた第7番ではヤンソンス的なアプローチがなんだか流れの悪さを感じさせたが、「新世界より」ではむしろ明快さにつながっている気がするのは、作品の性質が違うせいか、聴き手のせいか。スケルツォや第4楽章ラストの大団円などとてもカッコイイ。ただし快速・強奏部でちょっとばかしガサツだなあ・・・というところがあって惜しい。聴きどころはむしろ清新きわまりないソロの演奏かと思う。北欧の趣、といったら安直な気もするが、他にない明瞭さと爽やかさがある。


指揮:小澤征爾
ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1991年5月、ヴィーン、ムジークフェラインザール
ライヴ録音
PHILIPS/DECCA
評価:★★★★☆(4)
展開部の繰り返しを行っている点が珍しい。演奏内容も、同じヴィーン・フィルをケルテスが指揮した過去の名盤を髣髴とさせるような熱気と力強さがある。やや腰は軽くなったが。テンポを落として歌いこむ<緩>の部分と、勢いよく突き進む<急>の部分の接続と調和の綿密さ、激しい部分でもぶれない手綱はさすがの小澤。まあ、強奏部ではオーケストラが吹け上がりすぎの感もあるが、それでも大枠は決して壊れず、格調高さを保っている。気力の充実したヴィーン・フィルらしいサウンドが聴ける点もこの演奏の大きな魅力。録音は今一つ窮屈な感じがして年代の割にはイマイチ。ティンパニの音圧だけは屈指。


指揮:ズデニェック・コシュラー
チェコ・ナショナル交響楽団
録音:1994年10月18日、プラハ、芸術家の家、ルドルフィヌム・ドヴォルジャーク・ホール
Producers: Jan Hasenöhrl, Chikari Fujii
Recording producer: Jiří Zobač
Coordinator: Jiří Paulů
スタジオ録音
ビクター
評価:★★★★☆(4)
落ち着いた、しみじみとした詩情のある演奏だ。鳴り方は有名オーケストラなどと比べると大人しいが、アンサンブル自体は非常に生き生きとした呼吸感で統一されていて、どこか室内楽的であり、とても清々しく美しい。アンチェル以上に大袈裟なところが少なく、よく歌うので、この作品の旋律美にじっくり浸れるし、演奏の展開もかえって明快に聴こえる。


指揮:ウラジーミル・アシュケナージ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1999年5月21-22日、プラハ、芸術家の家、ルドルフィヌム・ドヴォルジャーク・ホール
Producer: Tomoyoshi Ezaki
Assistant Producer: Mayumi Yokoi
Recording Director: Miyuki Ito
Balance Engineer: Tomoyoshi Ezaki
Assistant Engineers: Lubomír Nováček, Takeshi Muramatsu
Disc Editor: Tomoyoshi Ezaki
スタジオ録音
EXTON
評価:★★☆☆☆(2)
チェコ・フィルだから、この作品の演奏は手慣れたもの。その点安心して聴けるが、今回はコンディションがあまり良くない気がする。ブラスの熱の入りが悪かったり、弦のアンサンブルの呼吸があってなかったり。このオケならもっと集中度の高い演奏もできたはず。早いテンポのところでは散漫さが目立っていまひとつだ。アシュケナージの意志がもっとオーケストラに徹底されていれば、オーケストラの集中度がもっと高ければ、かなり熱い演奏になっていたような気もする。部分的に立派、しかし基本的には微温な演奏。イマイチ。


指揮:イヴァン・アンゲロフ
スロヴァキア放送交響楽団
録音:2001年、スロヴァキア放送コンサートホール
Producer: Emil Niznansky
Sound Engineer: Hubert Geschwandtner
スタジオ録音
OEHMS
評価:★★★☆☆(3)
汗臭さがなくスマートな演奏。ダイナミックレンジは狭いし、音響的な厚みもないが、歌い口、呼吸感において悪くないアンサンブルを聴かせる。指揮者のクセ、オーケストラのクセがあまり出てこず、テンポの運びもほとんど一定で淡々とした解釈ながら、場面場面の描き方に意志的な操作が見えてくる。サラリとしたさりげない歌が心にしみる。第2楽章のコーラングレは名演。

聴き比べ | 【2012-05-07(Mon) 23:08:30】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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